ビジネスマン的恋愛事情 〜恋愛指南編〜

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「ん……」
いつの間に眠ってしまっていたのだろうか?柴田は、少し肌寒い気がして身震いすると、ボウッとした顔で、目を覚ました。
ふと気づくと、西崎の腕の中にいて、柴田の背中には、西崎のコートがかけられていた。
顔をあげると、西崎も安らかな寝息を立てている。
柴田は、少し微笑むと、再び西崎の胸に顔をうずめた。
西崎の香りと、ぬくもりがする。
つくづくこんな事をしている自分が、まるで別世界の人物のような気がしていた。
40になって、こんな風に本当の恋をするなんて……それも相手は10歳も下の男性である。
年下とは思えないほど、頼り甲斐があり誠実なこの男に、自分はすっかり骨抜きになっていて、まるで女の様に甘えたりしているのだ。
いや、「男」という事も「年下」と言う事も除いたとしても、自分が誰か他人にこんな風に甘えて、寄り添ったり、胸に顔をうずめたりするなんて……。
つくづく信じられない。
「んん……ふぁ〜〜〜」
西崎が、目を覚ましたのか、大きくあくびをついた。
「おはよう」
柴田が、顔をあげてそう声をかけた。
「おはようございます」
西崎は、あくびのせいで、目に涙を溜めたまま、ニッコリと笑って答えた。
「オレ……いつのまに寝たのかな?」
「えっと……4時くらいでした……オレもちょっと気持ちよくてまどろんでいたので、つられて寝ちゃいました」
昨夜は、何度も何度もキスをした。
ついばむような軽いキスから、燃えるような熱いキスまで。
それは、とても夢見心地で、次第にそれが夢なのか現実なのか、解らなくなってしまった様だった。
「結局寝るのなら、ベッドに行けばよかったな」
柴田が,真面目にそう言ったので、西崎はクスクスと笑った。
「寝直します?……今日は何か予定がありました?」
西崎のその言葉に、たしかにちょっとまだ眠いなと思いつつも、部屋の壁時計をチラリと見た。
時計は8時を指していた。
「確かに……今日はする事があったけど……まだちょっと早いな……もう少し寝ようか?」
柴田が、西崎を見て尋ねた。
「そうですね……ちょっと腰が痛くなったかも……」
西崎はそう言って、大きく伸びをした。
柴田は、笑いながら立ちあがると、西崎の手を引いて、ベッドルームへと向かった。
ベッドルームに入ると、クイーンサイズのベッドがふたつ並んでいた。
夫婦の寝室なのは明らかだった。
西崎は、ポリポリと頬を掻いて、少し躊躇した様子で、立ちすくんでいた。
「どうした?」
「いえ……やっぱり……オレが奥さんのベッドを使ってしまうのは、よく無いと思うんですよ……例え別れた奥さんでも、今まで愛用されていた訳ですし……客間、あるんですよね?」
西崎の言葉に、柴田は答えるでもなく、しばらく考えていた。
「そうだな……君にも失礼だよな……一緒に寝よう!……ベッドは少し大きめだし、二人で寝れない事はない」
「え……でも……」
柴田の提案に、西崎は更に困ってしまった様だった。
寝起きとはいっても、もうなんだかすっかり目がさめてしまっていた。
今の状態で、ベッドに柴田と抱き合って寝るのは、きっと、たぶん、かなり危険だった。
昨夜だって、何度も濃厚なキスを重ねているうちに、体が臨戦態勢になってしまいそうになるのを、どれほど強引に理性の壁で防いだ事か……度重なる重圧に、もう理性の壁は崩壊寸前である。
いかなる精神力の強い西崎であっても、これ以上の壁の耐久性は望めそうに無かった。
100歩譲って、なんとか暴走しそうになる行為を押さえることができたとしても、我が身の分身が、元気に「暴れん棒」君と化してしまうのは、止められそうも無い。全然自信が無い。
「どうした?」
二の足を踏んでいる西崎を見て、ベッドにすでに座り込んでいる柴田が、不思議そうな顔をした。
「あの……やっぱり……一緒に寝るのはやめた方がいいかと思うんですけど……」
「なんで?」
「………………その……オレにも我慢の限界ってものがありまして……昨夜からの……その……柴田さんとの甘い一時が、かな〜〜り欲望を刺激してまして……その……柴田さんが嫌がる事をしない自信がないんです」
西崎は、少し赤くなって、とても困ったような顔で言った。
そんな様子を、柴田はジッとみつめていた。
「オレが嫌がる事をするのか?」
「あ……う……」
西崎は、ますます困った顔になった。
「おいで……多分、それは……嫌な事じゃないかもしれないから……」
柴田はそう言って、両手を差し出した。
「え……」
西崎は、一気に目が覚めたような気になった。
心拍数が、急速に上がる。
今、この人は何って言った?と自問自答してみた。
「あの……」
とまどいながらも、西崎は、柴田の顔をみつめた。
手を差し出して、西崎をみつめるその顔は、とても優しく、どこかその目は誘惑の色を帯びていた。
西崎は、ごくりと唾を飲んで、誘われるままにベッドへと歩み寄った。
柴田が差し出した両手を握って、ジッとみつめた。
カーテンを透かして、かすかに漏れる朝日で、うっすらと明るくなった室内は、時が止まった様に、とても静かだった。
西崎は、体をかがめて唇を重ねた。
柴田は、その西崎の体に両手を巻きつけた。
ゆっくりとベッドに倒れ込むと、二人は深く濃厚なキスを繰り返した。
舌を絡め合い、もつれ合う様に求め合った。
西崎は、片手で柴田のズボンの前を開くと、下着の中に、その手を滑り込ませ少し膨らみ始めている柴田のモノを優しく握った。
「ん……んん……」
西崎は、右手で柴田の自身を愛撫しながら、左手で器用に柴田のシャツのボタンを外していった。
アンダーシャツを下からたくし上げて、左手で柴田の乳首を愛撫した。
首筋に舌を這わせ,耳たぶに口付けた。
「は…………ああ……」
柴田は、体を襲う快感に、甘い吐息をもらした。
西崎は、あっという間に柴田を全裸にしてしまった。
柴田の分身は、西崎の愛撫のおかげではちきれんばかりに大きくなっている。
西崎は、体を起こして、自らも服を脱ぎ始めた。
柴田は、荒い息をつきながらぼんやりのその様子をみつめていた。
常日頃から鍛えているのか、その体はひきしまった筋肉をたたえて、とても雄雄しかった。
全てを脱ぎ去り、西崎の大きくそそり立つ立派なモノが目の前に現れると、突然柴田は恥ずかしくなった。
男のソレなど、見慣れているはずなのに、とても恥ずかしくて凝視する事ができなかった。
赤くなって目を閉じると、顔を背けた。
ギシリとベッドがきしんで、西崎が柴田に覆い被さった。
柴田はこれから先、どんな事をするのか、男性とは未経験ではあっても大体の想像はついた。
自分自身も、何かの火が点いた様に、体の奥から性欲が湧き上がってきていて、「怖い」という想いよりもすでに勝っていた。
西崎の愛撫を期待する気持ちが湧き上がってきて、自分でも少し驚いていた。
こんなにSEXに燃えた事は、今までなかった。
西崎の手が、舌が、唇が、柴田の全身を巧みに愛撫し、その快感で柴田は体がとろけそうだった。
吐息が次第に荒くなり、いつしか無意識に喘ぎ声を出していた。
柴田の高まりからは、先走りの液体が流れ出していて、爆発寸前だった。
その液体を、西崎は舌で舐め上げると、全体を口に含んで強く吸った。
「あ……ああああー……」
突然襲い掛かった快感に、柴田は腰を浮かせて声をあげた。
「あ……あ……もう……ダメだ……うっ」
ビクンと腰が跳ねて、西崎の口の中に全て放出した。
西崎は、口を離すと、口に含んだその液体を少し手のひらに吐き出して、後は全て飲み込んだ。
柴田は、荒い息に肩を揺らしながら、両手で顔を覆った。
恥ずかしくて恥ずかしくて堪らなかったからだ。
こんなに前戯で、気持ち良いと思ったのは初めてだった。
もちろん「する側」と「される側」の違いはあるかもしれないが、女性にフェラチオをされた事がなかった訳ではない。
その時とは、比べ様もないくらいの快楽があった。
西崎は、手のひらに吐き出した液体を、自分の分身に塗りながら、柴田の秘所に舌をあてがった。
「あ……何?」
柴田は小さくつぶやいて、少し顔をあげると、自分の股の間にいる西崎と目が合った。
なんとも恥ずかしい格好を晒す自分に、更に恥ずかしさが湧き上がった。
慌てて頭を下ろすと、目を閉じた。
西崎は、舌で秘所を愛撫しはじめた。
「あ……ああ……」
なんとも言えない快感が、柴田を襲った。
「あ……ダメ……そこは、汚いよ……」
「柴田さんのここは、全然汚くないですよ……それにこうやって濡らさないと辛くなりますよ」
西崎の言う意味を理解して、柴田はカァッと赤くなった。
男同士の経験はなくとも、SEXの時どんな事をして、どこで受け入れるのかは薄々解る。
痛いかもしれないという恐怖心が、一瞬頭を過ぎったが、湧き上がる快感にたちまち全てをかき消された。
散々舌で愛撫された後、西崎の人差し指が、ゆっくりと指し込まれてきた。
「あっ……」
不思議な異物感に、柴田は目を開いてビクリとなった。
「痛いですか?」
「いや……ハァ……痛く……ないけど、なんか……変な感じだ……」
人差し指を根元まで指し込むと、ゆっくりと出し入れした。
「ん……んん……」
柴田の様子を伺いながら、しばらくほぐした後、中指も差入れた。
柴田は、大きく息を吐いた。
「大丈夫ですか?」
「ん……うん……」
柴田の中を、2本の指で掻き回した。
前立腺を刺激した時、柴田が大きく喘いで、腰を揺らした。
「あ……そこは……」
初めて経験する快感だった。
全身に電気が走った様に、しびれを伴なう快楽があった。
多少の異物感はあるものの、西崎に与えられる快楽で、すっかり柴田も挿入される事への恐怖心はなくなっていた。
ほどほどに、ほぐれてきた所で、西崎は指を抜くと、そこに自分のモノをあてがった。
「すみません……オレももう限界なんで……」
そう言って、ゆっくりと腰を進めて、柴田のピンクの色に紅潮したそこに挿入をした。
「あ……痛っ……」
「力を抜いてください」
先程の指とは比べ物にならないほどの質量をしたモノの進入に、ほぐされたとは言っても、初めての経験に、大きな異物感と圧迫感で、柴田は顔を歪めた。
無意識に抵抗して、力が入ってしまっているせいか、西崎のモノをきつく締め上げて侵入をこばんでいた。
無理に入ろうとする西崎の動きに、少し痛みが伴なう。
西崎は、柴田の萎え始めたソレを掴むとしごき始めた。
「あ……ああ……」
再び快感が襲い、柴田は自然と力が抜けた。
その隙に、西崎が一気に挿入する。
深深と根元まで挿入され、柴田の中で、西崎自身の熱が感じられた。
「あああ……」
西崎は、ゆっくりと何度も突き上げた。
痛みと、圧迫感と、快楽が交互に柴田の体を襲った。
朦朧とする意識の中で、次第に快楽のほうが優勢しはじめていた。
「ん……んん……あああ……ハアハア……あ……あ……もう……もう……」
絶頂に上り詰めている柴田は、シーツをきつく掴んだ。
西崎は、腰の動きを早めて、柴田の絶頂に合わせた。
「あぁ〜〜っ!!」
柴田は、絶頂を迎えて,腰を揺らしながら全てを放出した。
その刹那、西崎も柴田から自身をすばやく抜いて、ドクドクと大量の精を吐き出した。
柴田の内腿がビクビクと痙攣して、西崎と自分自身の精液にまみれながら、恍惚とした表情で、余韻にひたっていた。
西崎は、柴田の横に体を横たえると、柴田の髪をなでてキスをした。
柴田は、まだ荒く息をついていたが、ニッコリと微笑んだ。
「すみません……辛くないですか?」
西崎が、柴田の身を案じて、心配そうな顔で尋ねた。
柴田は、微笑みながら首を振った。
「その……良かった……すごく……」
そう言って、恥ずかしそうに目を閉じた。
西崎は、その目蓋に軽くキスした。
「オレ……なんか夢みたいです……」
「……夢でいいのか?」
柴田はからかうように言った。
「いえ……夢のままでは嫌です……だけど……その……今まで夢の中で、何度も柴田さんにこんな事をしていたから……」
「こら!勝手に人をおかずにするな!」
柴田は笑って、コツンと軽く頭突きした。
西崎も幸せそうに笑った。
「もう……恋人同士って思ってもいいんでしょうか?」
「ここまでしといて何を言ってるんだ……オレは……もうお前の物だよ」
その言葉に、西崎は感激して、ぎゅっと柴田を抱きしめた。
「あはは……こら」
「愛してます」
「……オレも」
もう今まさに、西崎の人生で一番幸せな時ではないかと思っていた。
「あ……西崎……」
「すみません」
二人は抱き合ったまま、一緒に下を覗きこんだ。
西崎の立派なモノが、再び元気に頭をもたげていた。
「大概でかんべんしてくれよ?」
柴田は微笑みながらそう言うと、西崎に深いキスをした。
再び二人は、激しく愛し合った。
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